2009/01/20

困難は 時に好機の 招き猫 名作の秘話 耳を傾け

我々世代より若い方はご存じないかもしれませんが、「君の名は」というドラマがあります。戦前の東京大空襲の時に知り合った男女が、戦時体制の中、お互い生きていれば、半年後、それが叶わなければその半年後、二人が出逢った銀座の数寄屋橋で再会を誓います。でも、その後の二人はで逢う事はなく、ようやく出逢った時は女性は人の妻となっていた。というストーリですが、今のようにメールや携帯のない時代しかも戦時下という過酷な時代のラブロマンスとして、1952年ラジオドラマとして放送された頃は、女風呂(当時は銭湯が多かった)が空になると言われたくらい大ヒットしたドラマです。このドラマの最大の見所はすれ違いです、戦時下と言う事もあり、男性がその場所で待っていたら、女性が何らかの理由でその場所に現われない、また、その逆といったお互いのすれ違いに当時のファンは魅了されたそうです。
この作品の作者は故菊田一夫先生(以下敬称略)という方ですが、先日、あるテレビの番組で生前のこの方のインタビューが放送されていましたが、その内容が実に印象深いものがありました。あれ程のドラマ、どんな構想で作成にはどんな苦労があったのか?と言った事をアナウンサーが質問した時。菊田一夫は当時、舞台の仕事をしている時、出演を依頼した役者が忙しくなってその場所に来る事が出来なくなった。困った、と考えたが役者が来ないなら、行方不明になったとか場合によっては亡くなった、というストーリーにしようと創られたのが後の名作「君の名は」だったしみじみと語っておられました。
最近は、派遣切り、内定取り消しと、不況と暗い話ばかり、そこで聞こえてくる声は、将来は真っ暗とか、未来が無いという内容ばかり、肝心な事は、今の現状を受け入れて、その状況下でどんな対策をとるかではないでしょうか?今の社会は暗い時代になると今の社会や現状を嘆いたりするのが常です。何事もそうですが対策を立てないと生活出ません。かつて菊田一夫先生が役者が来ないとという困難を逆手にとってすれ違いドラマの「君の名は」をヒットさせたように、困難には必ずチャンスが潜んでいます。

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