2008/08/10

ももとせの 戦知る身の 三味の糸

先日、祖母が亡くなりました。94歳という高齢でしたが、これは戸籍上の年齢で聞くところによると生まれて10年ほど戸籍の届けがなかったそうです。今では信じられませんが昔はこんなことはよくあったそうです。すると100歳(ももとせ)を超えています。晩年は特別養護老人ホームで暮らしていましたが、若い頃はなかなか粋な人生を歩んだ人間で結構三味線の上手だったのをよく覚えています。最近の歌謡曲でも楽譜は読めませんが音を聞いてすぐ三味線で弾いていました。100年の歳月はまさに波乱万丈の人生でしたが、少なくとも私の世代と違うのは戦争を自ら体験した世代であったことです。特に第2次世界大戦前は大陸に渡り引き揚げてくる時にかなりの苦労をしたことを子供の頃からよく聞かされました。明治・大正・昭和・平成と4世代に捧げた年月は戦争と三味線の人生だったのかもしれません。祖母が亡くなった前日ロシアとグルジアの戦いが始まったニュースが流れました。この戦争が拡大しないことと今の我々の平和の継続を三味線の糸に託した人生に幕が下りました。

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